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 「人力発電」        written by Nobuaki Uemura
               From    める研(http://ray.727.net/)
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 薔薇色の未来社会の到来を夢見ている人にこんな話をするのは申し訳ないが、
人類は多くの問題を抱えている。

 その中でもエネルギー問題は最も重要で根源的な問題であるといえる。石油
資源の枯渇や原子力利用の問題など、言い出したらキリがない。

 現代人のエネルギーの消費量が多いのは、私達の生活を振り返ってみれば容
易に理解できる。夏になれば寒いほど冷房をかけ、冬になれば暑いほど暖房を
かける。日が沈んでから活動し、テレビにパソコンにオーディオ、ゲームと電
気を使わないものはない。

 意味もなく車で走り回り、冷凍食品を電子レンジで調理する。別に特別無駄
遣いしている例を挙げている訳ではなく、私にもいくつも思い当たることがあ
る。これが現代のライフスタイルなのだ。

 1人の人間が1年間にどれだけのエネルギーを消費するかのデータは手元に
ないが、江戸時代の人間と比べて、現代人が圧倒的に多くのエネルギーを消費
している事は間違いがないだろう。

 別に現代の生活を否定しているのではない。これからどうやってこれを維持
していったらいいのか?という事を考えるべきだと言っているだけである。

 化石燃料には限りがあるし、原子力は人間の手に余る。太陽光、風力などは
安定的にエネルギーを供給する事はできない。どこかに無尽蔵のエネルギー源
はないものだろうか・・・。

 常々頭の片隅にその「問いかけ」をおいていたのだが、とある飲み会の締め
にラーメンをすすっていると、ラーメン屋のテレビの映像が私の脳裏に訴えか
けてきたのだ。

 「あるじゃん。無尽蔵のエネルギー・・・」テレビはニュース番組だったの
だろうか、都会の人ごみを映していた。

 人、人、人。通勤ラッシュの地下鉄の映像だったのだろうか、もの凄い人の
波だった。無尽蔵に存在するエネルギーとは人間の運動エネルギーである。

 一人の人間が仕事として発電機を回してどの程度の電力を発電できるのかは
わからないが、極限まで効率を高めた発電システムを作り出せば十分なエネル
ギー源になるのではないだろうか。

 何百人もの人間がひとつの発電機を回している姿は奴隷船の奴隷を想像させ
ると言う人もいるだろう。しかし、現代人は摂取するカロリーを消費し切れな
い動物なのだ。自転車漕ぎやジョギングで発散させねばならない位だ。常識的
な肉体労働ならば問題ないだろう。

 機械化により肉体労働は激減し、仕事がなくなり失業者が増えている。人力
発電所に就職を希望する人も大勢いるのではないだろうか。

 もっとも、発電した電力を売った売上から発電作業者に給料を払って、更に
設備を償却して利益が残るシステムを構築しなければ、運営する事は不可能な
のだが・・・。