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「旧街道はタイムトンネル」 written
by
Nobuaki Uemura
From
める研(http://ray.727.net/)
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先日、ヤボ用で往復150K程度のドライブをする機会があった。私の住む
街から外に出るには山を越えなければならない。山越えが終わるまでに片道4
0Kは走らねばならないので半分以上は田舎道だ。
見慣れた田舎道を走る。独りでの長時間のドライブというのは、考え事をす
るのに丁度良い。別に悩みが無くてもアレコレ考えてしまう。現実から隔離さ
れた時空間なのかも知れない。
光速で移動する宇宙船の中は時間の進行が停止するという説があるが、人間
の身体能力を遥かに超える速度で移動するドライブも、人の生活感を消し去る
位の事をするのかも知れない。
失恋した若者が、あても無く車を走らせ、気づいたらとんでもない所までき
ていたなんてのはよくある話だ。
流れ去る景色のように想い出が次から次へと蘇ってくる。心を傷める現実は
ガラス越しの窓の外だ。
ところで、今回の目的地は不便な場所だったので、主要道路である片側二車
線の国道ではなく、対面通行の旧道を走った。
旧道というのは元々人々が主に使用していた道路である。それが交通量の増
加により車線増設のために、別の場所にバイパスが造られ、そちらに主役の座
を渡し、地域住民の生活道路として残った道である。
通常ロードサイドには通行客を目的にした店舗が立ち並ぶ。旧道は主要道路
から生活道路に成り下がった時点で、ロードサイドとしての特権を失う。
即ち、旧道には廃業した店舗が引き取り手もないまま何十年も放置されてい
るのだ。撤去される事すら許されない、昭和の遺跡が残る道を走っていると、
思い出したくもない過去の記憶が蘇ってくる。
正に旧街道はタイムトンネルだ。束の間の時間旅行。まあ人生にはこんな時
間もあるのだろう。
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